top of page

「マイ・ラスト・ミュージックを探して」

以前観たNHK BSの「旅のチカラ 鳥越俊太郎 アメリカへ」という番組。

人生の最期、自分にプレゼントを贈るならば何を贈るのか・・・。「僕は、立派な葬式もお墓もいらない。

最後の晩餐もいらない。意識のある最期の瞬間を大好きな音楽に包まれていたい」癌治療を

何度も乗り越えたきたジャーナリストの鳥越俊太郎氏が、人生最期の瞬間に聴くためのための

「マイ・ラスト・ミュージック」を探す旅に出るというような内容でした。
 
 

 

ニューオーリンズで小じんまりとした店の中で、店のオーナーと鳥越氏が話をしているシーン。


鳥越 (写真を見て)「あなたのお父さんですか?」


オーナー 「チューバ奏者だったんです」


鳥越 「私は自分が死んで行く前に聴く曲を探しています」


オーナー 「それはすばらしいですね。ニューオーリンズはみんな死ぬことを恐れないのです。人生のすべてを受けとめ、死を祝福しながら生きていくのです。この街では音楽はわたしたちの一部であり、日々の暮らしの一部です。街のどこからも音楽が聞こえてきます。


鳥越 「あなたも死ぬ前に音楽を聴きたいと思う?」


オーナー 「死ぬときには演奏をしていたいですね。毎晩、演奏している。あそこでね。今夜はあなたのために演奏しますよ。ぜひ来てください」
 

 

街を散策して、キリスト教会に入っていく鳥越氏。教会の中ではほとんど黒人の人たちが皆で歌を口ずさんでいる。鳥越氏が教会の中で牧師と話をしている。牧師にラスト・ミュージックのお薦めを聞いてみる。


 

牧師 「わたしなら『I Won't Complain』が一番ですね」


鳥越 「この歌はあなたにとって、どういう意味があるのですか」


牧師 「人生でどんな辛いことがあろうと、一切不平を言わないという意味です。黙って大粒の薬だと思って飲み込めということです」
 
結局、番組でミュージシャンに薦められた曲は、

 

 

◎I'ii Fly Away

I won't complain

​◎Just A Closer Walk With Thee  (主よ共に歩ませて)





三曲ともゴスペルではありませんか。教会でも礼拝とジャズがコラボする街ニューオーリンズ。生きること、信仰、そして音楽が一体の人達です。あなたとは、まったく死生観が違う人達に「マイ・ラスト・ミュージック」を尋ねてどうすんの!って、ツッコミを入れたくなります。

​教会で牧師が語る「人生最後の1マイルがすべて・・・」という一言。すべての行為が、そこに繋がっているということだろうか?何気ない言葉であるが、なぜか心に残っています。死に終わるということではなく、何らかな世界にコミットしてゆくということを伝えたかったのだろう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

bottom of page