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ほんの数日の間の華やぎ、雨や風に合えばもっと短いかもしれません。八重の山桜の一瞬の輝き。
日本古来の野生種で、こぶりで神秘的な花を咲かせます。よく見かける睡蓮は、明治以降に輸入された園芸種です。
女王の気品と貫禄。暗闇にかすかな甘い芳香が漂っていました。
シルクフラワー(合歓の木)。ピンクとうす緑のグラデーションが何とも美しい。花の形の多様性と、神秘性を感じます。
ふと出会った野に咲く花の、あまりの美しさにおどろく時があります。
庭先を飾る花のように、見た目の華やかさはないのですが、
じっくり観察すると、本当に完成されたきれいな形状をしています。
大地にしっかりと根を張り、ひとりで逞しく生きている姿に
いじらしさを感じてしまうのです。
花が咲くためには、雪の下で長い冬を過ごします。光の入ることない
暗黒の土中で、春を待つための生命活動を続けているのです。
草も木も根を張るために、大地のめぐみを受けなければなりません。
その大地をミミズが耕したり、キノコの菌糸が水を通す環境を
用意したりもするでしょう。つまり、ひとつの生命は、
さまざまの生命たちと共生しながら生きているのです。
野に咲く花と出あう、人はその輝きに、みずからの心の輝きを見ます。
そして、いのちの凝縮を見るのです。
やがて、花は散り萎れてゆきますが、翌年には、また美しい花を咲かせます。
いのちはこうして輝き、そして散りながらも、
それゆえに永遠なのかも知れません。
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