人類滅亡までの残り時間を象徴的に示す「終末時計」
残り時間が2年連続で過去最短の「90秒」。
マイルドな世界から、ハードな世界へ。
常に緊迫感を持たなければならない時代になってきたようです。
この時計は、米科学誌「原子力科学者会報(BAS)」が毎年発表しているもの。真夜中の零時を人類滅亡の時とし、世界がそれにどれだけ近づいているか示しています。
1947年、核戦争の危険性を警告する目的で、米マンハッタン計画で最初の原爆開発に参加した米科学者たちが創設しました。
この科学者らは第2次世界大戦末期の1945年、広島と長崎に投下された原爆の悲惨な影響を目の当たりにしたことから、人々に警告を発し、
核兵器が2度と使用されないよう世界の指導者たちに圧力をかけようとしました。
数十年にわたる軍縮協定にもかかわらず、世界にはいまだ約1万3000発の核弾頭が存在し、その90%をロシアとアメリカが保有しています。両国のほかに核保有を宣言している国は、イギリスフランス、中国、インド、パキスタン、北朝鮮の6カ国。
イスラエルも核兵器を持っていると広く信じられています。
現代の核兵器のほとんどは、広島と長崎を破壊したものより何倍も強力、戦術核や中性子核も開発されているとされます。
1962年10月のキューバ危機の際、ケネディ大統領の弟で司法長官だったロバート・ケネディがまとめた回想録によると米国を射程に収める核ミサイルのキューバ配備発見からソ連のフルシチョフ首相が撤去に応じるまでの舞台裏が生々しく語られています。核戦争はまさに「今そこにある危機」だったのです。
ウクライナ4州を併合したロシアが露骨な「核の脅し」を続けています。プーチン露大統領は領土保全に「あらゆる手段を使う」と繰り返しています。キューバ危機当時、米ソ首脳は自分の決定が全人類を破滅に導きかねないという事を理解していました。
ロバートは兄の大統領が「何が自国の利益で何が人類の利益かを適切に判断したフルシチョフを尊敬した」と記していましたが、あれから60年、現代の国家指導者たちはむしろハルマゲドン(世界最終戦争)に突き進むような、言動を繰り返しています。認知症が進行している、最高司令官が核のボタンを持っていると言う事実、軍産複合体に操られたNATOの指導者たちの煽り等、
出口の見えない戦争。退っ引きならぬ状況にあるのは確かです。
ロバート・ケネディの子息が今年の大統領選に出馬していますが
暗殺された父親の意思を継いで、核の廃絶と世界平和を実現してもらいたいと願うところです。でも難しいのでしょうね。