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い
ほく
【其水亭】きすいてい
其水亭は医者の家なのだろう。其水は畫の弟子、渡邊庄次郎かと思う。留守だったのか、80歳を超えた父親であろう隠居と話が盛り上がっている。松夕は画塾からの情報を豊富に持っている。世事だけでなく政治的な事も語り合ったのだろう。
醫業磐々(いぎょうばんばん)の意味は調べてもどうしても分からない。
医者の生業が盤石にいっていると言う事だろうか。
【木漬柿】きざわし
松夕は余り細かい事には拘らない性格のようだ。例えば、只見川と書いた次の行で唯見川と書いたりしている。結構、誤字も見受けられて人間臭さを感じる。木漬柿(きざわし)だが、文脈からして、木についたままで甘くなった柿の事のようだ。木醂とか木淡と書くのが正解だろうが、其水亭のご隠居の肌艶を見て枝に付いたツヤツヤの甘柿を連想したのだろう。
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